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2013年07月10日

白水自然観察会 20130714-15 のご案内

★資料も保険も無しのお気軽自然観察会が続いたので、今月は真面目に三回以上下見をして資料も作って参加費100円以上でやろうと思っていたのですが、
台風7号が来そうです。
9日現在の予報では13日には通過しているようですが、暴風雨と川の増水で下見と本番ではすっかり様子が変わってしまっているかもしれません。
その他いろいろ個人的な事情もあって、今回もこのブログとメールで呼びかけるだけで、新聞に「誘い」は載せず、こっそり気軽にやってみようと思います。

(一応「誘い」を書いてはみたのですが、新聞に載せるには内容に少々問題がありそうなので、誰も見ていないこのブログでこっそり呼びかけることにしたのです。)

★空梅雨気味の梅雨が明けたとたんに強い通り雨が多くなって一息ついていたのですが、その後は巷でも「今年の夏は異常に暑い!」と話題になるほど強い日射しと湿った南風でうんざりするほど暑苦しい日が続いていました。
こんな空気は台風でリセットされないとどうにもならないだろうなぁと思っていたら、よりによって白水自然観察会の予定日に合わせて台風7号がやってきそうです。

★気象現象は時間的・空間的に辻褄が合うようになっているようで、空梅雨の後には大雨が降ったり、日本付近が異常に暑ければヨーロッパでは冷夏だとか、うだるような暑さが続いたら台風で大気の大規模な擾乱(じょうらん)が起こってリセットされるということになっているようです。
先の世界恐慌もみんなが「まだ大丈夫でしょう。」と思っている内に手遅れ状態になってしまった大混乱は、結局第二次世界大戦で世界がリセットされるまでどうしようもなかった訳です。
自然現象も社会現象もそんなところがよく似ていますね。「世にある人とすみかと、またかくのごとし」というわけです。

★ということで、世界恐慌のような大変な混乱はもはや避けられないと思っている私は、戦争でリセットというような最悪の結果だけはなんとしても避けたいと思っています。
が、どの国の指導者も力量不足で問題の解決に行き詰まっているようで、戦争の準備だけは着実に進められているようにしか見えないのです。

★さて、話は白水自然観察会でした・・・
先日完成した「アンパルガイドブック」でも紹介しましたが、名蔵川流域にはかつての海面変動の痕跡が各所に残っています。
白水谷の入口は海抜10m足らずですから、6000年前の縄文海進の頃は谷の入り口付近まで海が入り込んでいたはずです。
数十万年前の琉球サンゴ海時代には80mほど島が沈んでいたようですし、12万年ぐらい前には20mほどの海面上昇があったはずです。
名蔵川流域にはそんな度重なる海面変動の痕跡と思われる段丘が2~3段各所に見られます。

★本来海岸近くに育つはずのサガリバナやアダンなどの植物が、白水のような内陸部で見られるのも海面変動の証拠だと言えるでしょう。
白水谷の入口北側に海抜42mの小山があります。
この山はチャートの玉砂利を含んだ赤土の丘の上に厚さ5~6mほどの琉球石灰岩の塊が載っかった面白い構造になっています。
同じような琉球石灰岩の奇妙な分布は嵩田排水路南側の嵩田植物園内の段丘斜面やバンナ岳と前勢岳の間の川原山の谷付近にも見られます。いずれも海抜40m付近です。

★今回の観察会では白水川本流の中を歩いて遡り、石や植物に秘密を教えてもらいましょう。
渓流の中をゆっくり歩きながら観察し、観察しながら考えればいろんな真実が見えてくるものです。

★ところで、石垣市の水道水は県内でも有数の美味しい水です。
白水や真栄里ダムといった花崗岩地帯の水を、福岡の海の中道・西戸崎の砂丘の砂(石英砂)で緩速濾過法という方法でゆっくり濾過して、酸素をタップリ含んだ有機物の少ない水(渓流の水)を作っているからです。
だから石垣市の水道水は美味しいのです。

★竹富町では西表島の渓流の水を緩速濾過しています。西表島は八重山層群という石英砂が固まって出来た細粒砂岩の島で、源水の水質は花崗岩地帯の石垣島の源水と同じくらい良好ですが、残念なことに緩速濾過床にサンゴ砂(石灰質の砂)を使っているため浄水の味を落としています。

★とても美味しい石垣市の水道水ですが、硬度が低いので石鹸のぬめりが落ちにくいため、石灰岩地帯の地下水を混ぜて硬度を上げて配水しています。

★じつはとても美味しい石垣市の水道水には心配なことが一つだけあります。
風呂場の鏡やタイルやクロムメッキされた蛇口の表面に酸で拭いてもとれない白い曇りが付いてしまいます。
この白いシミはケイ酸カルシウムです。ケイ酸カルシウムは炭酸カルシウムと違って酸に溶けにくいのでコンパウンド(磨き粉)で削り落とすしか除去する方法はありません。
真夏の炎天下のベランダで、熱く焼けたコンクリートの上に蛇口から極わずかずつ水道水を流すと、たちまち蒸発して白いシャーベット状の残渣が残ることがあります。
特に夏場の渇水期に水道の使用量を抑えるため地下水を多めに混ぜている時がひどいようです。
これもケイ酸カルシウムを主成分とする蒸発残渣です。
おそらく石垣市の水道水に含まれるケイ酸カルシウムの濃度は異常に高くなることがあるのでしょう。

★高濃度のケイ酸カルシウムを含む水を飲み続けて健康に問題はないのか?
じつは、厚生労働省の水道水の水質基準にはケイ酸カルシウムの項目は有りません。
ケイ酸カルシウムには慢性毒性も急性毒性も無いということになっているからです。

★こんな報告書もあります。
http://www.fsc.go.jp/hyouka/hy/hy-tuuchi-calciumsilicate.pdf
2007年に厚生労働省の食品安全委員会添加物専門調査会がまとめた報告書ですね。
(pdfファイルのURLの貼り付け方を間違っていたようなので、直しました。今度はちゃんと繋がるでしょう?)

何度も読んでみましたが、よく解りません。
ケイ酸カルシウムの毒性については、今まで問題にされたことはないし、国際機関やアメリカやEUでも安全性に問題無しとされているので、この報告書でも問題無しということにしておきましょう。」としか言っていない実に不思議な報告書だと思います。

ケイ酸マグネシウムについても同じような報告書があります。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/dl/s1225-19i.pdf

「同じような」というか、ほとんど同じですね。
書式が決まっていて、「ケイ酸カルシウム」を「ケイ酸マグネシウム」に置き換えただけの作文です。
ただ、興味深いことに、ケイ酸マグネシウムの場合は一日摂取許容量を設定する必要があるという結論になっています。

★水道水に関してもう一つ気になる情報があります。
南北大東島では海水を淡水化し、波照間島では塩分を含んだ地下水を淡水化して水道水としています。
淡水化装置の導入によって離島の水問題は解決されたかに見えましたが、南大東島では今でも飲み水や調理用水には天水を利用している人が多いそうです。
「海水を淡水化した水道水を飲むと血圧が高くなる。」と、心配している方も多いようです。

★淡水化装置の原理は逆浸透法といって水分子は通すが塩素イオンなどは通さない膜で濾過する方法です。
この装置を通る時に水にケイ酸イオンが溶け込んでケイ酸カルシウム濃度が高くなっているのかもしれませんね。
淡水化装置を導入している離島で、飲み水と健康に関する調査が必要だと思います。
ただし、南北大東島と波照間島では島民のルーツが全く異なるという点には留意せねばなりません。
南北大東島の島民は明治以降、主に八丈島から入植した方々ですが、波照間島の島民のルーツはおそらくミクロネシアなど南洋の島々だと思われます。
島民のルーツの違いがケイ酸カルシウムに対する反応に大きな差を生じさせるかもしれません。

★「白水自然観察会のご案内」のはずでしたが、いつものように話がとんでもない方向に発展というか、脱線してしまいました。
以前から気になっていたことをこの機会に整理して書き留めておきたかったのです。

★もし、飲料水中のケイ酸カルシウムやケイ酸マグネシウムがヒトの健康に重大な影響を与えるとすると、石垣島だけでなく全国各地の水道水が「飲用不適」ということになってしまいます。
厚生労働省があのような不思議な報告書をまとめたのには、なにか高度に政治的な意図があったのかもしれません。

★ところで「炭酸カルシウム」なら知ってるけど「ケイ酸カルシウム」って聞いたことないなぁ・・・という方も多いことでしょう。
だけどケイ酸カルシウムは意外と身近なところで使われています。
アパートのベランダの隣との仕切りに使われている「非常時には蹴破って避難して下さい」などと書かれている板がケイ酸カルシウムボード(ケイカル板)です。水にも火にも強いし日焼けもしないが意外ともろいのでベランダ仕切り板の使われている訳です。

★さて、肝心の白水自然観察会ですが、台風がさっさと通り過ぎてくれることを期待して、
7月14日(日)と7月15日(月)の二日間、午前10時から12時頃まで、同じコースで行います。
集合場所はわかりやすいようにバンナ公園北口駐車場です。10時集合です。
そこから車で移動して、途中で観るべき物を観て、白水ポンプ場からは歩きます。
安全な水量なら川の中も歩きますから滑りにくい履き物で、濡れてもいい服装で来てください。
タオルや着替えもあった方が良いでしょう。
小さな子供なら充分泳げる淵もあります。
申し込み・問い合わせは
090-6863-5039谷崎携帯かこのブログのメッセージで。
(メールアドレスをご存じの方はメールでもかまいません。)
今回も資料も保険も無し、参加料も無しのお気軽(状況によっては少しハードかも)自然観察会です。
台風前にあと二回ぐらいは下見ができるかもしれませんし、台風通過後にも一度は下見をしてみようと思っていますが、台風でえらいことになってしまっていたら8月に延期ということもあります。


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Posted by 谷崎 樹生 (たにざき しげお) at 02:19│Comments(0)自然観察会
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